一志会 2010年10月に発足した限定メンバーによる
新しい形のコミュニティ
「一志会」第74回の例会が開催されました。
2023.04.21 更新
一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する大企業経営幹部の「コミュニティー」です。4月19日(水)に、第74回例会を開催しました。
ゲストとして、大塚 宣夫氏(医師、医療法人社団 慶成会 会長)をお迎えし、「超高齢社会を考える-どうするあなたの老後-」と題したご講話をいただきました。「一柳良雄が問う 日本の未来」にご出演いただくなど、交流を重ねてきた一柳の尊敬する仲間であります。
大塚氏は、初めて見た老人病院に衝撃をうけ、「自分の親を安心して預けられる施設」を理念に、青梅とよみうりランドに慶友病院を開設されました。この世で一番居心地の良い場所となる究極の終の棲家となるよう取り組まれてきた経験談を交え、お話いただきました。
そして、核家族化に伴う家庭内介護力の低下、重労働・低賃金による介護の担い手の減少という超高齢社会の現状をご説明され、70歳あたりが臓器の耐用年数であるという基礎知識をご披露いただきました。
そこで、老後を豊かに過ごすためには、周囲に惑わされないこと、プラス思考と感謝の心を持つこと、介護はプロを利用することで介護される方も快適となること、老後はお金がかかるため自分のお金を持っておくことなどのアドバイスをいただきました。また、ある僧侶の「魅は与によって生じ、求によって滅す」という言葉を引用されて感謝の気持ちを持つことが大切であるとお話しされました。
最後に、65歳以上を「高齢者」としたのは約130年前のプロシアの制度であり、社会が大きく変化した今、「戸籍年齢に80%を掛けたくらいが実際の年齢と思っていればまだまだいける、こう思うだけで世界が変わる。老年よ 大志を抱け!」と鼓舞されました。西欧では動物の死に学び無理な延命処置をしないことが社会的コンセンサスを得ており、そこから学ぶ点があることを説かれました。
参加者からは、「『お迎えにくる』というのは本当なのか」、「理想の死をどのように考えているのか」などの質問があり、大塚氏は、ご自身の経験や考えを交え丁寧に回答され、参加者はぐっと自分事として聞き入っていました。
その後、会員企業の人事異動に伴う田端・日本取引所グループ常務執行役員の挨拶がありました。
さらに、佐渡・KPMGコンサルティング執行役員、清明・マネックスグループ代表執行役、吉村・丸一鋼管代表取締役社長、沼田・あいおいニッセイ同和損害保険常務執行役員、加藤・セガサミーホールディング執行役員、片岡・日本ハム取締役、木上・西日本電信電話監査役、中野・日本航空執行役員、富加見・MCデータプラスヴァイスプレジデント、浦川・パロマ取締役副社長、柴山・大和リゾート代表取締役社長、タン・エイピーピー・ジャパン代表取締役会長から近況報告をいただきました。
今回も、交流時間では、ゲストを囲んでの意見交換や、会員間の懇談の輪がいくつもできました。にぎやかに談笑が続く中で予定の時刻を迎え、次回例会での再会を約して、閉会となりました。
*経歴
大塚氏は、1942年岐阜県生まれ。1966年慶應義塾大学医学部卒業後、1967年に同大学医学部精神神経科学教室入室。1968年~1979年まで(財)井之頭病院に精神科医として勤務。フランス政府給費留学生として、2年間のフランス留学を経て、1980年に青梅慶友病院を開設し、院長に就任。2005年、よみうりランド慶友病院を開設。2010年、慶成会会長に就任。医療や介護の常識に縛られず、高齢者の「生きる楽しみ」を優先した病院づくりを実践する。