一志会 2010年10月に発足した限定メンバーによる
新しい形のコミュニティ
「一志会」第68回の例会が開催されました。
2022.05.02 更新
一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する大企業経営幹部の「コミュニティー」です。4月27日(水)に、コロナウイルス対策に万全を期して、第68回例会を開催しました。
ゲストとして、今井尚哉氏(内閣官房参与 元安倍内閣総理大臣秘書官、補佐官)をお迎えし、「官邸体験を踏まえて、これからの日本の課題と対応」と題したご講話をいただきました。
今井氏は、1958年新潟県生まれ。東京大学法学部を卒業し、1982年通商産業省(現経済産業省)入省。経済産業政策局企業行動課長、日本機械輸出組合ブラッセル事務所長、資源エネルギー庁資源・燃料部政策課長などを歴任後、2006年第一次安倍内閣で内閣総理大臣秘書官(事務担当)を務め、その後、経済産業省大臣官房総務課長、資源エネルギー庁次長などを経て、2012年第二次安倍政権で内閣総理大臣秘書官(政務担当)、さらに2019年には内閣総理大臣補佐官(政策企画の総括担当)を兼任。2020年菅内閣発足、2021年岸田内閣発足でも内閣官房参与に就任。高い志を持つ肝の据わった熱血漢で、一柳とは、日本の未来を語り合う良き友人です。
今井氏は、冒頭に、通産省のエネルギー関係部署で複数回一柳を上司に仰ぎ、日本の長期的国益を考え共に仕事をしたエピソードを披露した上で、安倍内閣の総理大臣秘書官時代も、短期的・内向き議論に偏せず、大局を見失うことなく、常にどうしたら持続的に国益を追求することができるかを考え進言してきた、と述べられました。
世界地図をどこの国を中心に置いてみるかで景色が変わることを示しながら、日本が直面している外交・安全保障環境と潜在的なリスクについて分析し、安倍政権が展開してきた地球儀俯瞰外交の本質・必要性を説かれました。また、アベノミクスのこれまでの取組みを概観し、経済再生・景気回復・雇用増、一億総活躍社会の進展、格差是正など様々な分野における成果とその政策の背景となる考え方、政権内での議論をレビューしました。
締め括りに、通算9年間の長きにわたる安倍内閣の総理大臣秘書官時代の間の秘話を披露し、さらに安倍政権下では首相側近をはじめ関係者との議論が活発に行われる「明るい組織」であったこと、国益最大化のためにリスクを覚悟する気概など、長期にわたる政権マネジメントの留意点について言及し、講話を終えられました。
安倍政権下において外交、政策決定に直接関与した経験に基づく政策形成過程の裏側についての興味深い解説、日本の未来を思う今井氏の力強いメッセージに、会員は熱心に耳を傾けていました。「企業経営にも大いに参考になる話だ」、「こんな官僚もいるんだ」等の声が聞かれました。
その後、会員企業の役員人事異動に伴い、交代する岩谷情報システム・太田社長と後任の岩谷産業・一色常務執行役員、新会員のあいおいニッセイ同和損害保険・沼田常務執行役員、品川リフラクトリーズ・藤田執行役員から、それぞれ挨拶がありました。
続いて、濱千代・キユーピー取締役上席執行役員、坂本・SMBC日興証券副社長執行役員、福井・トヨタモビリティサービス取締役専務執行役員、馬場・住友ファーマ常務執行役員、生田・ミクニ代表取締役社長CEO兼COOから近況報告をいただきました。最後に、4月30日以降放映予定の「一柳良雄が問う日本の未来 東三河から世界へ 地方創生の在り方」にゲスト出演される神野・サーラコーポレーション代表取締役兼グループ代表CEOから、撮影収録時のエピソードをご披露いただきました。
今回も、交流時間では、ゲストを囲みより突っ込んだ意見交換や、会員間の懇談の輪がいくつもできました。にぎやかに談笑が続く中で予定の時刻を迎え、次回例会での再会を約して、閉会となりました。