一志会 2010年10月に発足した限定メンバーによる
新しい形のコミュニティ
「一志会」第65回の例会が開催されました。
2021.10.21 更新
一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する大企業経営幹部の「コミュニティー」です。10月19日に、コロナウイルス対策に万全を期して、第65回例会を開催しました。
ゲストとして、ビジネス界から僧侶に転身し築地本願寺代表役員宗務長を務める安永雄彦氏をゲストにお迎えして、「築地本願寺の経営改革」と題したご講話をいただきました。
安永氏は、1954年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(経営学専攻)。三和銀行(現三菱UFJ銀行)、外資系大手ヘッドハンティング・エグゼクティブサーチ会社ラッセル・レイノルズ社を経て、島本パートナーズにパートナーとして参画し2006年より同社代表取締役社長、2019年会長。2004年グロービス経営大学院大学専任教授。2015年浄土真宗本願寺派築地本願寺宗務長に就任し現在に至ります。
宗教法人築地本願寺の代表役員として、僧侶組織のトップに立って様々な法要を主導し、築地本願寺の経営管理全般を統括するとともに、元銀行マン、元コンサルタントとして数々の経営改革に携わってきた経験を活かし、築地本願寺にて様々な改革・新事業に取組み、収支財政の立て直しを図るとともに、首都圏における新しい伝道布教活動に取り組んでいます。
一柳とは、日ごろから企業経営、組織改革、リーダーの在り方などについて議論を交わす友人です。著書は、『日本型プロフェッショナルの条件 アメリカ的論理思考では問題は解決できない』(2009年 ダイヤモンド社)、『築地本願寺の経営学 ビジネスマン僧侶にまなぶ常識を超えるマーケティング』(2020年 東洋経済新報社)など、多数あります。
安永氏は、冒頭、銀行員からコンサルタントに転じ、その後浄土真宗と関わり人生後半で僧侶になった自身の経歴を具体的に説明し、宗教法人と株式会社の経営の方法は、両者とも社会への貢献、キャッシュフロー、環境変化への対応が重要であり、本質的に同じであると話されました。そのうえで、宗教界が直面する厳しい環境変化に対応して、築地本願寺カフェ、築地本願寺銀座サロン、合同葬、人生サポートサービスの提供(築地本願寺クラブ)などの革新的な取組みを断行し、地域社会での存在感を高め、収支を改善し、“ただ待っているお寺から、踏み出すお寺へ”という築地本願寺の今後の展開を披露されました。後半は僧侶として、心豊かに生きるための心構えを説かれ、最後に、“「一日一生」と思い定めて一日を生き切ること”を会員への贈る言葉とされました。
会員から、「企業も寺院も同じ、古いビジネスモデルでは生き残れない、ということを再確認した」、「実績に裏打ちされた経営哲学は納得感が高く、自己の組織を強くするために何が必要かを考え抜きたい」、「生き方についてためになるお話をお聞きした。仕事に人生に失敗を恐れず挑戦したい」などの声をいただきました。
その後、人事異動に伴い、下村・鉄道弘済会常務理事と後任の小古井・東日本旅客鉄道総合企画本部経営企画部次長から会員交代のご挨拶がありました。続いて、竹内・BEENOS取締役常務執行役員、太田・岩谷産業取締役専務執行役員、清明・マネックスグループ取締役兼代表執行役COO兼CFO、土本・平和不動産代表取締役社長、中野・日本航空執行役員、嶋田・阪急電鉄常務取締役、黒田・東横イン取締役代表執行役社長、島・島精機製作所代表取締役社長、杉山・SENマーケティング事務所代表、小沼・東京証券取引所取締役専務執行役員から近況報告をいただきました。
今回も、交流時間では、ゲストを囲みより突っ込んだ意見交換や、会員間の懇談の輪がいくつもでき盛り上がりましたが、予定の時刻となり、次回例会での再会を約して、閉会となりました。