一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第141回勉強会を開催しました

2022.08.26 更新

能村 幸輝 氏

 2022年8月24日 当社社長一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第141回勉強会を開催しました。今回は経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課長 能村幸輝様に登壇頂き、「再生可能エネルギーを巡る政策動向―第二章へ:「地域と共生した」再エネの最大限導入-とのテーマでお話しを頂きました。

 はじめに、わが国の再エネの現状と2030年に向けての目標についての説明がありました。FIT制度導入で再エネ元年と云われる2012年から2019年の7年間で約3倍にという日本の増加スピードは世界トップクラスです。再エネ導入量は世界第6位、このうち太陽光発電は世界第3位です。2030年の再エネ導入目標は、電源構成で2020年度19.8%から36~38%です。内訳は、太陽光で61.6GW→104~118GWとなり、風力では4.5GW→23.6GW(洋上5.7GWを含む)となる目標です。

 次に、S+3Eを前提に「地域と共生した」再エネの大量導入に向けての説明です。
電源として適地への最大限の導入を目指します。住宅等の屋根、空港、工場・倉庫等への太陽光拡大、再エネ海域利用法の入札見直しによる洋上風力の早期導入などです。また、4月から制度開始したFIP(Feed-in Premium)の活用などで再エネの市場電源化を図ります。系統整備では、海底直流送電の検討加速化による風力発電などの早期導入を目指します。
産業化では、浮体式洋上風力や次世代薄型太陽電池(ペロブスカイト)などについてスピーディに課題を解決し市場獲得を目指します。洋上風力や太陽光のサプライチェーン高度化を支える人材育成にも注力します。

 足許のロシアウクライナ情勢があってもカーボンニュートラルの目標を変更した国は無く、むしろカーボンニュートラルに向けてのトランジションをどう進めていくかという議論が深まっています。リスクの顕在化から、各国はより再エネを重視し多様なアプローチをしているということを強調されました。

 質疑応答では、「再エネ導入目標に関する早期稼働」、「蓄電池活用方策」、「人材育成に関するビッグデータ分析」、「海底直流送電の検討」、「バイオマス発電の取組み」などについての率直な意見交換で盛り上がりました。
今回の出席者からは、「我が国のカーボンニュートラル達成及び経済安全保障確保のため再エネ最大限拡大を是非実現して欲しい。」或いは「FITからFIPへの変更に伴うファイナンスの分析能力の向上が必須であります。」などの声がありました。
 また、終了後の懇談会では、コロナ感染再拡大に留意して、マスク着用の会話を楽しみました。

マスク着用の懇談会風景
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