構想エネルギー21研究会エネルギー産業構造の変革期が訪れようとしています
一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第133回勉強会を開催しました
2021.07.27 更新
2021年7月21日 当社社長一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第133回勉強会を開催しました。今回はBYDアジア太平洋地域自動車販売事業部総経理、ビーワイディージャパン株式会社代表取締役社長 劉学亮様に登壇頂き、「BYD社におけるバッテリーとEV戦略-新たなモビリティー&電力プラットフォーマーへ-」とのテーマでお話し頂きました。
はじめに、BYD社の概要についての説明です。
同社は、1995年に中国深圳にて設立され、主要な業務領域は、通信分野の電子デバイス、電池やソーラーパネルのグリーンエネルギー、EV中心の自動車で、2016年からは大都市の渋滞解消を目的にモノレールも製造しています。EVにおいては、約50ヵ国、約300都市で導入されています。
EVでは電池の安全性が最重要課題であり、釘を刺しても発煙も発火も起こらないBYD社製のブレードバッテリーの安全性テストのビデオを公開されて、大変興味深いものでした。
シンガポールやインド進出とほぼ同時期の2015年に、量産型のEVバスを京都市内の路線バスに納入しています。現在は、日本各地の路線バスで運行されています。夜間の充電で翌日一日運転可能です。従来のバスの排気ガスの公害から解放されて、運転手や乗客ばかりでなく地域住民からも大いに歓迎されています。
昨年12月日本政府は、2050年カーボンニュートラル実現を宣言しました。多くの自治体でも新車販売のEV化が目標となっています。あらゆる企業も同じ方向に向かっています。 BYD社では、今後とも全ての領域の企業と手を携えて新しいイノベーションを起こしつつ、カーボンニュートラルを実現していきたいと強調されました。
質疑応答では、「グローバル企業を目指す経営方針」、「電池製造技術」、「EVとFCVの棲み分け」などについての率直な意見交換で大いに盛り上がりました。
今回の参加者からは、「BYD社がEVを売るビジネスから“EV&エネルギー&情報”を利用するビジネスに拡げていくメッセージは、大変興味深いです。」或いは「劉講師には、日本企業との業務提携のビジネスで大いに活躍されると共に、日本に長く在住されていることを活かして日中の相互理解を深める活動にも力を注いで欲しい。」などの声が有りました。
【講師ご略歴】
○ 劉学亮(Liu Xueliang)様
比亜迪汽車(比亚迪股份有限公司)
アジア太平洋地域 自動車販売事業部 総経理
ビーワイディージャパン株式会社代表取締役社長
1972年生まれ、中国の遼寧省出身。1997年に東京国際大学で国際経済貿易の学士号を取得。2004年にBYD Company Limited(以下、BYD)に入社。BYDアジア太平洋地域自動車販売事業部総経理とビーワイディージャパン株式会社代表取締役社長を兼務。
主にアジア太平洋地域におけるBYDの運営管理と長期的な開発戦略の計画を担当。アジア太平洋地域におけるBYDの成長に大きく貢献し、シンガポール、オーストラリア、マレーシア、韓国、インドなど、多くの国でオフィスと製造拠点を構築。
また、中国の自動車メーカーとして初めて日本市場へ参入を手掛ける。2010年、日本の大手金型メーカーであるオギハラの工場を買収。