構想エネルギー21研究会エネルギー産業構造の変革期が訪れようとしています
一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第129回勉強会を開催しました
2020.11.25 更新
2020年11月17日 当社社長一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第129回勉強会を開催しました。
今回は、シェルジャパン㈱ 代表取締役社長吉田康子様に登壇頂き、「Energy Transition and Shell」とのテーマでお話し頂きました。
今回は、2015年のCOP21での温暖化対策国際枠組みである「パリ協定」において世界共通の 2℃目標(1.5℃努力目標)が示されたことを踏まえ、Royal Dutch Shell(以下「シェル」)が2018年に発表した長期エネルギーシナリオSkyを基本に最近情勢を反映して、今後の世界のエネルギーの変遷シナリオ並びにシェルの経営戦略についてお話し頂きました。
Skyシナリオでは、2℃目標達成のために今から 2070 年までに世界的に必要な7つの変化として以下を掲げています。
電化の進展・エネルギー効率の向上 ・新エネルギーの伸長・カーボンプライシングの世界的な導入・CCSの拡大 ・森林破壊の防止と森林再生 、そして人々の消費行動の変化であります。
更に、シェルが引き続き世界のリーディングカンパニーとして存続するための目標として以下の3点を標榜しています。
・世界的投資家から見て魅力的な企業として存在する。
・エネルギー転換を力強く生き抜いていく。
・エネルギー企業として操業することの許可及び支持を広く社会から頂く。
最後に、2016年に設立したニューエネジー部門の説明がありました。シェルは、この部門を将来、上流、ガス、化学などに匹敵するコアビジネスにする方針であります。
脱炭素化を目指す顧客に対し、クリーンエネルギーの提供を、電力のバリューチェーンの統合などにより行い、その目標をサポートすることです。特に、世界各地で洋上風力開発を展開しており、大量の再生可能エネルギーへのアクセスと“電力から水素”を可能にしていきます。
質疑応答では、「LNGのポテンシャル」、「クリーン水素の製造コスト」、「シェルの新エネ研究開発体制」、「バイオ燃料及びCCS拠点拡大の可能性」、「CO2クレジットトレーディング」、「エネルギー安全保障」などについての率直な意見交換で大いに盛り上がりました。
今回の出席者からは、「オイルメジャーのリーディングカンパニーとして存続する為に、長期経営シナリオの作成・見直しに多大なコストを掛けていることを再認識しました。」或いは「吉田講師のオーストラリアやミャンマー勤務経験を有する真のグローバルな視点からの説明に、大変興味を持ちました。」などの声が有りました。
【講師ご略歴】
吉田 康子 様
国籍 日本
学歴
1990年 早稲田大学資源工学科 (物理探査専攻)学位取得
1994年 慶応大学大学院経営学修士(MBA) 取得
職歴
2002年 投資銀行勤務、コンサルティング会社の経験を経て、シェルガス&パワージャパン株式会社(現シェルジャパン株式会社 -ロイヤルダッチシェル/ アップストリームインターナショナル日本オフィス)にビジネスアナリストとして入社。
2004年 シニアアドバイザー(サハリンIIプロジェクト担当)
2006年 シェル デベロップメント オーストラリア社 (パース、オーストラリア) シッピングアドバイザー (NWSLNGプロジェクト)
2007年 シェル デベロップメント オーストラリア社 (パース、オーストラリア) コマーシャルアドバイザー (Gorgon LNGプロジェクト)
2010年 シェルジャパン株式会社 シニア・ビジネスアドバイザー (上流案件担当)
2012年 シェルジャパン株式会社 LNG & 経営企画部長
2015年 シェル ミャンマー エナジー社 (ヤンゴン、ミャンマー) カントリー・チェア
2018年11月 シェルジャパン株式会社 シニア・アドバイザー
2018年12月~ シェルジャパン株式会社 代表取締役社長